取り組み
2025年10月16日
SB C&S、「次世代間接材改革フォーラム2025」を開催
~間接材購買の戦略的価値を考察し、競争力強化に向けた実践策を共有~
SB C&S株式会社(以下「SB C&S」)は、間接材購買の最新動向と戦略的価値を示す「次世代間接材改革フォーラム2025」(以下「本フォーラム」)を2025年9月25日に東京で開催しました。
本フォーラムは、SB C&Sのパーチェスワン事業部と子会社のディーコープ株式会社の協賛により開催しました。両社は、累計3,600社を超える支援実績を有し、購買支援サービスで培ったノウハウと進化を続ける購買システムを組み合わせ、間接材購買に関する多様な課題解決を支援しています。さらに、セミナーやラウンドテーブルを通して、情報発信やノウハウ共有の場を継続的に提供しており、本フォーラムでは、間接材購買業務に関わる有識者の方をゲストに招き、各ゲストのセミナーとスペシャルセッション、登壇者と参加者の交流会が行われ、当日は約60人が参加しました。
未来調達研究所の坂口 孝則氏からは、「なぜ今、間接材購買改革が必要なのか」をテーマに講演いただき、取り組みが進まない要因として「ツール」「ルール」「組織」の不足が挙げられ、支出分析による可視化・三重のディフェンスラインによるガバナンス強化・調達システムと組織体制の整備が不可欠と指摘されました。また、間接材改革は社員体験や人材定着にもつながり、日本企業の利益率向上の鍵になるとの見解が示されました。
購買ネットワーク会代表の梅原 広行氏からは、「テクノロジー活用とBPO(Business Process Outsourcing)で実現する次世代の間接材購買改革」をテーマに、長年の調達購買経験をもとに、AI活用が調達分野にも急速に広がっている現状を紹介いただきました。従来の「支出の可視化」「コスト削減」は既に標準化されており、今後は、少人数体制でも高度化を進めることが重要と指摘。梅原氏は、AIによる見積もり比較や交渉補助、自動分類の普及が進む一方、紙文書処理や社内調整など、人間にしかできない領域も残ると説明。購買部門は単なる価格交渉にとどまらず、組織全体の構造改革をけん引する役割が期待されると強調しBPOはAI時代でも不可欠な存在であり、参加者に「自らの役割をどう選び取るか」が重要だと呼びかけました。
積水化学工業の高原 徹氏からは、「グローバル間接材改革〜グループ全体の求心力となる購買DX〜」をテーマに実際の取り組みをご紹介いただきました。同社は、DX推進の一環として間接材購買改革を進め、2020年からの検証を経て24年末までに国内20社・70拠点へ間接材購買管理システムを導入。カタログ購買や取引電子化により業務標準化を実現し、年間250億円規模・25万件の購買のシステム化を可能にしました。これにより、コスト削減5%、業務効率25%改善を目標に掲げ、発注から支払いまでを自動化する「タッチレス購買」で生産現場の工数削減を達成。導入過程では従業員やサプライヤーへの丁寧な対応を重視し、属人化排除と透明性向上を推進。今後は海外拠点展開や集中購買を通して、グループ全体でのガバナンス強化と付加価値創出を目指すと語りました。
スペシャルセッションでは、梅原氏が進行役を務め、坂口氏と高原氏を交え「AIと人の役割分担、購買改革の未来」について議論が行われました。AI活用は、不正検知や業務支援への応用が進む一方、中小企業での浸透は課題と指摘。BPOは、自動化が進んでも人や外部委託の役割は残り、「最終的に重要なのは人と人との信頼関係である。」との見解が示されました。また、研究開発やマーケティング領域での購買関与では、高額案件や透明性確保を重視し、カテゴリ管理や中央集権的ガバナンスの重要性が語られました。全体を通して、AIやDXの進展と人の役割、そしてガバナンス強化のバランスが購買改革の鍵であると結論づけられました。
SB C&Sは、今後も定期的な情報発信と情報共有の場を提供することで、企業の購買領域での適正化とDXを推進します。
【登壇者からのコメント】
未来調達研究所株式会社 経営コンサルタント 坂口 孝則 氏
参加者のみなさまの反応は非常に熱く、間接材購買や調達業務への注目がこれほど高まっていることに大きな感激を覚えました。これまで支出の門番であった調達部門が、よりポジティブで付加価値のある業務を担うことが求められている事実を実感し、私自身も明日からの業務に一層熱意をもって取り組もうと感じました。今回、SB C&Sが本フォーラムを主催したことで、企業間の知見共有と業界全体の盛り上がりを後押しする場が生まれたことは大変意義深く、私も引き続き学びを重ねながら、みなさまの間接材購買の成功事例を伺える日を楽しみにしております。
購買ネットワーク会 代表 梅原 広行 氏
SB C&Sが主催した今回のフォーラムは、業界全体の動向を共有し、企業の垣根を越えて知見を交換できる場として、大きな意義を持つものとなりました。あらゆる業界の方々と同じテーマで語り合える貴重な機会に参加できたことに感謝いたします。本フォーラムは、最新の事例を吸収する学びの場であると同時に、調達購買の発展という共通の関心でつながるネットワーキングの場として大きな価値がありました。時代は新しいツールやサービスを自社に適応させ、大きな変革を迫られる局面にあります。だからこそ、単なる参加にとどまらず、会社の枠を超えた連携を進めていく一助にしたいと感じています。
積水化学工業株式会社 高機能プラスチックスカンパニー 中間膜事業部 担当部長 高原 徹 氏
参加された多くの方は大手企業で、間接材購買に特化した部門を持ち、5〜20人規模の体制で改革に取り組み、各社が本格的に「間接材購買」を戦略領域として位置づけ、強化している様子がうかがえました。弊社も業界全体で加速する改革の流れに乗り遅れないよう取り組む必要性を再認識しました。本フォーラムを通して、ターゲットを的確に絞り込んだ議論が展開されたことは大きな意義であり、SB C&Sが主催したことで企業間の知見共有と間接材購買の進化を後押しする場が実現しました。
左から購買ネットワーク会 代表 梅原氏、積水化学工業株式会社 高機能プラスチックスカンパニー 中間膜事業部 担当部長 高原氏、未来調達研究所 坂口氏、SB C&S株式会社ICT事業本部 パーチェスワン事業統括部 三松
【お問い合わせ】
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